おかひじき
シャキシャキとした食感がたまらない山形の伝統野菜「おかひじき」。
海草のひじきに見た目が似ていることが名前の由来とされています。
この伝統野菜の品質を高め、広くアピールしている
「おかひじき部会」部会長の佐藤清也さんにお話をお聞きしました。
「おかひじき」を作られてどれくらいになりますか。
私自身、農業を始めたのが30歳からで、まだ10年位しか経っていません。
こちらの地区(明治地区)で「おかひじき」を作られたのはいつ頃からですか。
約40年位前、私の父がグループを作って栽培をはじめ、この辺を産地化したと聞いています。もともと砂浜に自生しているものが、最上川をさかのぼってきたと聞いています。
「おかひじき」の栽培時期は。
おかひじきは、一年を通して収穫が切れないように産地間でリレー栽培されているので、いつでも食べることができます。春からゴールデンウイークの時期が出荷量のピークですが、私は冬場を中心に栽培しています。
ただ、春先の方が甘みはありますね。春のおかひじきは、葉っぱも太く、しっかりしている。
美味しいおかひじきの見極め方は。
葉っぱがぷっくり、コロッとしているのが美味しいと思います。
収穫の様子を見せていただけますか。
収穫はハサミでします。置賜では包丁で切り取ると聞いていますが、この辺ではハサミで刈取りします。パックの大きさに合わせて15cm位で収穫します。
「おかひじき」を栽培する上で、苦労した点は何かありますか。
おかひじきは、立ち枯れを起こしてしまうことがあります。発芽しても小さいうちに枯れてしまう。その辺は部会の皆さんも同じ苦労をしているようです。
使用できる農薬が元々少ないため管理には手間がかかりますが、ほとんどが無農薬栽培されたものなので、消費者にとっては安心して食べられると思います。
他に大変なことはありますか。
立ち枯れさえクリアできれば、暑さ寒さにも強いし霜でやけなければ、かなり低い温度でも大丈夫です。収穫時期は遅くなりますが、逆に出荷時期の調整もできます。
佐藤さんが収穫したおかひじきは、どの辺に出荷されていますか。
全て農協に出荷していますが、そのうちかなりの量が関東に出荷されています。もちろん山形市内でも手に入りますが。
関東に出荷されているとのことですが、「おかひじき」も有名になったのでは。
これまで先輩たちがいろいろ取り組んできましたが、なかなかマイナー野菜から抜け出せない感はある。30年位前になりますが、親の代は、東京などのスーパー等でPRしてきたと聞いています。これまで先輩方が苦労された結果、私たちがあると思っています。
おかひじきは、種から育てているのですか。
種から育てています。とてもたくさん種を使うので、自家採取しています。
10月頃に取って、乾燥させる。昔は種を蒔いてスコップで土をかけていたが、今は管理機で行うようになり楽になった。種まきは父が担当しています。
「おかひじき」の食べ方としては、どんなものがありますか。
やはり、お浸しにしてからし醤油で食べるのが一番美味しいと思います。おかずの一品にもなりますし、日本酒にも合うと思いますよ。
他には細かく刻んで納豆に入れたり、味噌汁に卵と一緒に入れたりもします。
クセがないので他の食材の味の邪魔をしないのが「おかひじき」の特徴。やはり、色味と食感が命ですね。
変わった食べ方としては、少し刻んでシチューに入れたり、炊き込みご飯に散らしたり。天ぷらにするというのも聞いたことがあります。一度は試してほしいのが、すき焼き。春菊の代わりにいれて食べてみてください。すき焼きのタレにとても合いますよ。
おかひじきの魅力とは。
「おかひじき」はシャキシャキとした食感に尽きると思います。青々とした彩りも楽しんでほしい。クセが無いので工夫次第では色々な料理に活用できる食材だと思います。
みなさん、ぜひ楽しんでみてください。
『おかひじき』のお取り扱いについてはこちら
【JAやまがた中央営農センター】
場所 山形市天神町59番地
電話 023―684―2547
FAX 023―684―4951